2020年に中学校の教科書および文部科学省の教育指導要領が改定され、中学生の英語が急激にレベルアップしました。単語や文法などが急ピッチで導入され、混乱して英語嫌い・英語離れを起こす中学生と、幼少期から英語に親しんで教科書レベルでは物足りない中学生の2極化が進んでいます。中学校で本格的に始まる英語においていかれないために、小学生の間に身に着けておくべき英語力を解説します。
小学生のうちに育てたい英語力【その1】リスニング力
小学生のうちはその聴覚を使い、色々な英語を聞く機会を設けて「簡単な英語なら聞き取れる」「英語を聞いたら(単語などの構成は分からないまでも)全体として意味がわかる、イメージが湧く」といった状態を作ることが理想です。聴覚は年齢が上がるにつれて聞く音が限定され、日本人特有の「LとRの聞き分けが出来ない」「文法は分かるけど聞き取れずに英会話が進まない」進学面でいうと、高校入試レベル以降のリスニングで苦戦する、といった問題に繋がります。
また中学生以降は他の教科学習や部活動も忙しくなり、英語の勉強も単語や文法を学ばなければならないので、あえて「リスニング」に向きある時間が撮れないのが現状です。小学生のうちに教材などでネイティブの英語発音を聞く時間を取る英語教室や、その宿題を出す英語教室を選び、「英語を聞く力」を養いましょう。小学校卒業までに英検3級のリスニングテストの内容が分かるぐらいの聞く力がついていることが理想です。
小学生のうちに育てたい英語力【その2】音読力
中学生以降、毎週新しい英語の文章、単語を学んでいきますが、このときに音読をする力がついていないと「視覚」だけで全ての英語を吸収しなければいけないことになります。これは実は大変なことで、英語は「耳」と「口」といった複数の機関を使って複合的に吸収したほうが効率が良いのです。
また「視覚」だけで覚えただけの英語は実践に繋がりません。文章を読んで何が書いてあるかわかっても、それで対応できるのは英語のテストだけです。実践で英語を使うときには、英語を聞いて、自分で喋る必要があります。そのときに初めて英語を口にしても、英語を喋ること自体が恥ずかしい、うまく発音が出来ないから物怖じする、だから喋らない、喋れない、の日本人の負のループにはまってしまいます。
小学生はまだ英語を「何か違う音の面白い言語」という感覚で臆せず発話することが出来ます。恥ずかしいという気持ちが芽生える前に、英語を音読出来ること、発話出来ることは当たり前という感覚を養うことは、後の英語学習の大きな助けになります。
小学生のうちに育てたい英語力【その3】単語を読む力
これは、英語教育業界では「フォニックス」や「サイトワード」と言った言葉で出てくることが多いですが、要するに「初めて見る単語を自力で読み、綴る力」です。英語は、日本語と違って発音と表記(スペルのつづり)の関係が1対1ではありません。日本語のように書いてあるものを端から読めば、意味の理解はともかく全部「声に出して読む」ことが出来るのに対し、英語は並んでいるアルファベットを端から読むだけでは全く通用しません。
このように「読むこと」が難しい英語ですが、ある一定のルールを身につけることで、新しく出てきた単語も正しく読むことができ、またその力があれば、新しい単語を覚えたり、完全にスペルを覚えていない単語でもルールをもとに書くことができる、スペルで迷ったときに発音からスペルを思い起こして正しく書くことができる、など英語学習の効率をぐっと高めてくれます。
現在日本の小学校の英語学習では、この「英単語を読む力」を完全に教えるほど時間を割くことができません。英会話教室などで補足的に学ぶときは、「フォニックス」や「サイトワード」といった項目が学習内容にあり「単語を読む力」がつくかどうかを確認することをおすすめします。
まとめ
英会話教室などを選ぶとき「英語を嫌いになってほしくないから」という点だけで、ゲームやクイズばかりやっている教室、また、以外にも「ネイティブ講師」を売りにして小学校高学年になっても「英会話」をメインにしている英語教室も、長い目で見たら不足があると言わざるを得ません。
いま、中学校、高校の英語は「会話」の他に圧倒的な「英文読解力」が求められ、英会話の内容にしても「英語でのコンテンツ」が子供さんの中になければ結局一定レベル以上には到達しないことになります。
よって、小学校卒業までに以下の3つの力を身に着け、中学・高校のスピートとボリュームがある英語学習に置いていかれず発展的・総合的に英語力をつけて行くことができる準備をしましょう!
【小学生のうちに必ず身につけるべき英語力3選】
その1「リスニング力」
小学生時代の「聴覚発達期」に合わせて英語の音を聞き取り、英語を理解できるようになろう。小学校卒業までに英検3級リスニングレベルの習得が目標
その2「音読力」
英語を音読する力は、その後の単語学習・読解力の効率をぐっと高めます。小学校卒業までに「自分が読める英語は声を出して音読するのが当たり前」を作ろう。
その3「単語を読む力」
英単語の構成、発音、音読の仕方のルールをマスターすることで、中学校以降に出てくる大量の新しい英単語を効率的に身につけよう。「フォニックス」と「サイトワード」を小学校のうちに身につけることが大切。
その3は少し専門的な内容かもしれませんが、英語教室の先生であれば知らない方はいません。
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