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変わる中学英語:小学生は「楽しく英会話」では太刀打ちできない

昨今は、中学、高校の英語のテストレベルがあがっており、英検もかつての3級、2級から徐々に要求される英語力の質が変わり、難易度も上がって来ていると言われています。中学・高校のテストレベルはどのようにあがり、その理由は何でしょうか?またそこで英語嫌いにならないために、小学生のうちにはどのような力をつけておけばよいでしょうか?

変わりゆく中学英語のテスト

2020年に教育指導要領が変更になり、それに伴って英語の教科書が変わって早4年。いよいよ「新要領」で学んだという前提の生徒に対して英語のテスト内容が変わってきました。(先生方が新しい指導要領と指導の要点を掴み、指導・テスト作成に慣れてきたのかもしれません)

中学校の1年生テストはそれでもまだ、基礎的な文法事項を確認するような内容がある程度ありますが、中学2年生のテストぐらいからテストがぐっと難しくなります。テストの問題の傾向も変わってきており、特徴的なのは以前必ずあった「下線部を日本語に訳しなさい」が姿を消したことです。

代わりに出題されるのは

・以下の選択肢のうち本文の内容に合うもの(合わないもの)はどれか
・以下の選択肢を本文の内容に沿って並べ替えよ
・本文にタイトルをつけるとしたら1〜5のどれか

など、細部の表現はともかく大雑把に内容を把握しているかを問うものが多くなっています。また、テスト内の英文の分量も増える傾向にあり、50分のテストの中で、中文が2つ、資料と英語を合わせて読み解く問題、と長文が1つなど、「解いても解いても終わらない」と思えるほどの英語量が1つの試験の中に入っています。

いま中学生・高校生に求められる英語力とは

このテストの変化は、かつての学び方で「英語を後ろから読み、日本語を当てはめて日本語化した状態で内容を腹に落とす」読み方ではなく、「英語を英語のまま理解して(細部はともかく)内容を読み取る」という、英語を理解して使っていくために必要な能力を図るもので「英語を中・高・大と勉強したけれど全く使えない」と揶揄された日本人の英語力を底上げするのに、良い変化の方向性と言えます。

また、英文の量が増えたことについても「中学生からこのぐらいの英語をざっと読める力をつけ、高校生ではその読解力の幅を広げて深い内容の話題を英語で理解・コミュニケーション出来るようになる」と、いわゆる”実際の現場で使える”英語力をつけるための段取りと言えるでしょう。

英作文でもある条件を示され「この場合のあなたの取る行動・あなたの考えを●単語以上使って表現しなさい」といった内容になっており、かつて自分自身と全く紐づかない内容でとにかく習った文法を使いさえすればマルをもらえるような英作文ではなく、自分のケース、考えを述べる問題傾向にあります。これは英語や国際社会では「阿吽の呼吸」は存在せず、明確に自分の言葉で話すことがもとめられる実体を鑑みている傾向です。

小学生のうちは「楽しく英会話」では太刀打ちできない

一方で、小学校で児童たちが学ぶ英語は、教科化されて通知表に評価が載るようになったといえど、まだまだ「英語をゲーム的に楽しむ」ことが主軸となっています。日本の今の生活では、普通に暮らしている家庭ではなかなか英語を見聞きしたり、ましてや話したりなどする機会がなく、小学生にとって英語は「どこか遠くにあるもの」であるため、まずは親しみを持ち、楽しむアプローチはある程度仕方がないとも言えます。

ただそのペースが大変ゆっくりで、少なくとも小学校だけで英語に触れていただけの場合は、中学に上る前に「英語を聞いたことがないわけではない」程度の認識にしかならないでしょう。自分で単語を読むこともままならなければ、書くことはもちろんできず、文章の構造も理解していない。その状態で中学の英語に向かっていかなければいけないというのは、大きな溝を飛び越える必要があり、ハードルが高いです。

また、まちの「英会話教室」に通い、コースブックなどで何パターンかの「英会話」を型でおぼえて単語を入れ替えて「英会話風」を楽しんでいる子も、中学/高校生の英語習得には力不足と言わざるをえません。小学生のうちにコースブックを4-5冊やってある程度レベルがあがったようにみえても、表現は限られており、会話以外の英語に慣れていません。

小学生のうちに意識して身につけるべき英語力

それでは、小学生は「楽しく英語に親しむ」「簡単な英会話」にとどまらず、何を意識して身につけたらいいか?

それは
(1)沢山の英語に触れて(聞く、見る、読む)英語を英語のまま内容イメージ出来る力
(2)簡単な文章で自分の意見を言う力

と言えるでしょう。
今は、沢山の英語に触れる方法はいくらでもあります。ポイントは「小学生のうちは難しくて複雑な内容・構造の英語まで手を出さず、単純な文章でいいのでいろいろな内容の英語に触れる」ことであると言えます。複雑な内容のものは脳が発達する中学以降で効率的に学べばいいので、小学生のうちは「簡単、単純明快な絵本などをとにかく何度も見聞きして、理屈ではなく感覚で英語を理解する」を意識すると良いです。理解するとは、英語を聞いた時にその情景が頭に浮かぶことです。

最初は絵本を見ながら単純な英文を繰り返す。そのうちに絵本を見ずに同じ英文を聞いた時に、同じ情景が頭に浮かべがOKです。小学校卒業までに、単純な英語の本を自分で音読できて、内容を汲み取れるようになる。そして色々な場面の英文に触れて「聞いたことある、音読したことある単語」の量を増やしておくことが肝心です。

また、折に触れて簡単に自分の意見を言ってみる経験も、同時に重要です。中学に入り、英作文が始まる、テスト問題で自分の考えを含めた解答を作る、また英検2次試験などでも自分の考えを根拠を持って説明する力が求められます。日本人は自分の意見を聞かれずに育つことが多い、またそれを人前で堂々と話す機会が大変すくないので、その練習をしておくと、中学・高校の英語でつまづかないだけではなく、その先も英語を味方につけて、コミュニケーションの幅を広げていくことが出来るでしょう。


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