子どもに色々な経験をしてほしい。子どもが興味がある物事を深めて成長してほしい。学校で不足する学習を習い事で補いたい。理由で子どもの習い事を選び、その中でいま多く選択肢に上がってくるものの一つが、英語です。自分も英語ができたらなと思うし、学校で英語に苦労してほしくないし、世界に出てほしいとも思う。英語を習わせたほうがいい?子育て期間中に誰もが一度は思うこの疑問に答えていきたいと思います。
乳児期の英語習得は耳からのインプットの黄金期
まず、子供さんが赤ちゃん〜幼稚園、保育園に入園する前の時期です。この時期はお家で過ごす時間が長く、小さな子どもさんは聴覚が急激に発達する年齢でもあります。この時期に大変有効なことは「英語の音を沢山聞かせる」ことです。
英語と日本語は「周波数」が違います。日本語は一定の周波数の中で発せられる音であるのに対し、英語には様々な音があり、広い周波数帯が使われます。聴覚は生まれてから小学校入学前ぐらいの年齢でほぼ完成しますが、中でも0〜3歳は急速に発達します。その時期に英語を沢山聞くと、日本人の苦手な「LとRの聞き分け」「FやTHなど英語特有の発音」「あいうえお以外の母音」などの聞き分けが出来るようになります。
英語を沢山聞かせることは、ご自宅で簡単にできます。少し前までは教材の購入などが必要でしたが、今はインターネットに英語の素材が沢山あります。子ども向けの番組を流したり、英語の歌を流したりいくらでも選択肢があり、良い時代になりました。未就園の時期の子どもさんは習い事にいってもまだ先生のいうことに従って同じような活動をすることに慣れていません。習い事にとらわれず、ご自宅で英語の音に触れさせてあげましょう。
幼児期の英語習得は、楽しみを優先、生活に英語を取り入れる
一方で生活のリズムが出来、集団生活も始まるので「小さい頃から始めたほうがいい習い事を」と考える時期でもあります。保育園・幼稚園期の子どもさんは引き続き聴覚の発達を利用できる時期です。この頃はまだ耳がよく、聞こえてきた英語の音をそのまま口からだして「真似っ子」することがとても上手です。また、その「真似っ子」がとても上手で親御さんが驚いて褒めると、とても嬉しく思ってもっと頑張ってしまうのがこの時期の特徴です。
また一方で重要なのはこの時期は「英語がある生活」を無理なく作れる最後の時期ということです。小学校に入ると学校の勉強や他の習い事との兼ね合い、読書やインターネットメディアとの接触、、、子どもたちの時間がどんどん埋まってしまい、わざわざ「英語の時間を確保する」ことが一気に難しくなります。そうなる前の保育園・幼稚園の時期に自宅でも英語に時間を割くことが当たり前の生活を作れるよう、教室レッスンだけではなく自宅での取り組みに積極的な教室を選ぶことが大切です。
小学校低学年の英語習得は、学習の習慣づくりとと一緒に
幼少期に海外で育って英語がネイティブ並みの発音で話せるようになっても、幼少期に日本に帰国して生活すると、あっという間に英語を忘れてしまう現象は「文字と繋げて定着」していないからこそ、起こるものです。音だけで身についているものは、日本の環境で日本語の「音」に簡単に上書きされてしまいます。
小学校低学年から英語の学習を検討する場合は、英語のゲームやクイズなど楽しいアクティビティだけではなく、文字を読んだり、書いたりして「学習」「定着」の面もあるかどうかを必ず確認しましょう。繰り返しの音読や書き取りで「何回かやれば出来るようになる」「出来るようになるから楽しい」の体験を積み重ねて、低学年のうちに「英語がすき」「英語はやれば出来る」という自信をつけられれば最高です。
小学校高学年の英語習得は、中学の英語も視野に入れ急ピッチで
これを避けるために、やはり高学年から英語を始める場合は、中学での英語学習を視野にいれ、文法などの理論に少し触れたり、多くの新しい英文を積極的に読んでいくと言った姿勢が欠かせません。また高学年になると論理的に学習する能力も発達してくるので、単に英文そのものに大量に触れるアプローチよりも文法の要素などを入れながら最初から整理して英語を学ぶほうが短時間で身につく場合もあります。
中学では、文法事項を一気に学び、小学校で基礎を作ってこなかった子が情報を整理しきれずに混乱したままどんどん進んでいき、気がついたらどこから学び直していいかわからないといった生徒が続出しています。英語は高校を卒業するまでの6年間、必ず授業があり、高校入試、大学入試でも「避けて通れない」教科と言えるでしょう。中学で英語学習に苦手意識をもち、英語=苦しいもの、嫌なもの、として付き合っていくことを避けるには、高学年で少し頑張って、英語に対する感覚を身につけておくことは、大変おすすめです。
まとめ
英語は本来、「教科」ではなく「言語」です。英語が第一言語である国では、誰もが英語を習得し、使っています。決して「特別な誰か」が出来るようになるものではなないのです。ただ英語を使わなくても生活が出来てしまう日本では、どうしても英語習得の優先順位が下がり、中学に入って英語が必須化されてからはテストや成績、受験と切り離すことが出来ずに、そこに「英語嫌い」「英語苦手」な日本人が大量に産出されてしまう、大変残念な社会になってしまっています。英語は身につければ子どもたちの未来を開き、選択肢を格段に広げてくれる便利なツールです。子供さんの今の年齢に合わせた学習方法を取り入れ、英語を見方につけましょう!
まとめると
1 乳児期(0〜3歳)
聴覚の発達を利用して自宅で沢山の英語の音に触れ、聞き取る能力を身につける
2 幼児期(3〜6歳)
就学前は楽しく英語に触れ、英語の発音に親しみ、英語のある生活を作る
3 小学校低学年(7〜9歳)
学習習慣化と一緒に英語も学びのサイクルに入れ、読み書きを習って定着を図る
4 小学校高学年(10〜12歳)
中学英語を視野に入れ、文法の知識も導入しながら効率的に英語学習をする
といったポイントが挙げられます。
中学にはいるとまた英語は「学習・テスト・成績」の側面が大幅に出てきますのでまた違った捉え、アプローチとなります。それについては別の記事でご案内しますね。